バーでは基本的に何を注文しても自由ですし、オーダーの順番やセオリーはありません。しかし、バーに慣れていないとメニューを見ても迷ってしまい、何を注文したらいいのか分からないという人も多いことでしょう。ここでは、迷わないで注文するために、参考にしてほしいカクテルの種類やバーテンダーへの相談の仕方を紹介します。
まずは、ロングかショートかを決める
カクテルはロングドリンクとショートドリンクの2種類に分けられます。アルコール度数が低めのロングドリンクと高めのショートドリンク。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
- アルコール度数が低めなロングドリンク
ロングドリンクは氷が入っているスタイルのことで、グラスの高さのことではありません。ロックグラスのドリンクもこの部類に入ります。氷で冷たさがキープされるので、ゆっくり時間をかけて飲むことができます。入っているアルコールの量はショートドリンクと同じくらいですが、炭酸などの割り物も入っているのでアルコール度数は低めになります。氷が溶けて薄まってしまう前に、大体30分くらいで飲みきるようにしましょう。
- アルコール度数が高めなショートドリンク
ショートドリンクは三角形のカクテルグラスで出てきます。氷を入れないため冷たさを持続できません。時間が経つとぬるくなってしまうので、その前に飲み切るのが基本です。男性であれば3~4口程度で飲み干せる量ですが、その分少量でもアルコール度数は高めのものが多いのが特徴です。15分程度でグラスを空けるようにしたいものです。
ベースのお酒を何にする
次にベース酒を決めましょう。ベース酒とはカクテルの土台となるお酒のことでジン、ウォッカ、ラム、テキーラの「四大スピリッツ」とリキュールが中心です。銘柄にもよりますが、ジンには爽やかな風味があり、ウォッカはほぼ無色無香でクリアな味わい、サトウキビを原料とするラムは甘い風味が特徴です。
ベース酒とそれを使ったおすすめカクテル
それぞれのベース酒を使った定番のカクテルを紹介します。カクテル選びの参考にしてみてください。
- ベース酒:ジン
①ジン・トニック(ロングカクテル)/ファーストオーダーの定番といわれるカクテル。ジンの少し薬草のような風味と、トニックウォーターのほのかな甘味が特徴。スッキリした味わいのカクテル。
②マティーニ(ショートカクテル)/カクテルの帝王と呼ばれ、バーテンダーの腕が試されることから『マティーニに始まりマティーニに終わる』という言葉があるほど。辛口ですが、ハマると虜になるカクテルです。
- ベース酒:ウォッカ
①モスコー・ミュール(ロングカクテル)/ウォッカをジンジャエールで割ったカクテルで、ウォッカベースの中では1番有名なカクテル。ジンジャエールを使っているので、少し甘みがあるのが特徴。
②ソルティードッグ(ロングカクテル)/ウォッカをグレープフルーツジュースで割ったもので、グラスの飲み口に塩がついてるのが特徴。さっぱりとして口あたりがいいので、飲み過ぎに注意しましょう。
- ベース酒:ラム
①モヒート(ロングカクテル)/ラムとソーダをベースにミントをたっぷり入れたカクテル。ミントの爽快な香りとさっぱりとした後味は、夏の定番カクテルです。
②X.Y.Z(ショートカクテル)/ラムとオレンジ系リキュールのキュラソーにレモンジュースを組み合わせたカクテル。甘さと酸味のバランスの取れたすっきりした飲み口が特徴です。
- ベース酒:テキーラ
①マタドール(ロングカクテル)/スパイシーなテキーラと、甘酸っぱいパイナップルの相性を生かした、とても飲みやすいカクテルです。飲みごたえも十分です。
②マルガリータ(ショートカクテル)/ホワイト・キュラソー の甘みとレモンの酸味がマッチしたカクテル。テキーラとグラスのふちの塩との相性が良く、味が引き締まり飲み飽きしません。
- ベース酒:リキュール
①カンパリオレンジ(ロングカクテル)/香草系のリキュールである「カンパリ」を使った人気カクテルです。オレンジジュースの自然な甘さと酸味が香草の苦味とマッチします。
②カルーア・ミルク(ロングカクテル)/970年代頃からアメリカのボストンで流行したカクテル。コーヒー牛乳のお酒のような味わいであり、甘く飲みやすいため女性に人気があります。
バーテンダーに好みを伝える
お酒の種類や名前がわからないときや、何を注文したらいいのか迷ったときは、気軽にバーテンダーに相談してみましょう。
なんでもいいはNG
バーテンダーとは、bar (酒場)と tender (世話する人、相談役)の合成語です。お客様の世話をするわけですから、お客様が求める飲み物を提案するも仕事の一つです。ですから、迷ったら気楽にバーテンダーに相談しましょう。しかし、このときやってはいけないのが「なんでもいい」というオーダー。せめて「甘口か、辛口か」「アルコール度数は高めか、低めか」「炭酸が好きか、嫌いか」など、簡単なイメージを伝えてください。これらの情報があればバーテンダーも幾つかのカクテルを提案してくることでしょう。
ドリンクと相性のいいおつまみ
一般的にオーセンティックバーで用意しているおつまみは簡単なものが多く、ナッツやチョコ、チーズ、燻製、ドライフルーツなどです。あくまでもお酒を楽しむためのおつまみにです。
ラムやウイスキーなど、香りの強いベース酒のカクテルにはチョコなどの甘いものが、逆にカルーアミルクなどの甘いカクテルにはクラッカーなどの塩気のスナック菓子が合います。また、マティーニなどの度数の強めのショートカクテルにはオリーブ、ジントニックなど少し軽めのロングカクテルにはドライフルーツがおすすめです。