ハワイへのとびきりの愛情を込めたアイランドキュイジーヌ
その品格あふれる佇まいからワイキキの貴婦人とも称されるクラシックホテル「モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ」。そのメインダイニングとして、ステーキハウスのコンセプトを掲げ8年前にオープンしたレストランだが、2017年5月にメニューが一新された。ハワイでは、“ファーム・トゥ・テーブル”がレストランの潮流となっているように、この店もまた、地元で生産される食材を使ったアイランドキュイジーヌを提供するようになったのだ。
その鍵を握るのが、3年前よりキッチンの指揮を執っているシェフ、デイヴィッド・ルケラ氏だ。彼がいま最も注目しているという食材は地元のカンパチ。「何より美味しいし、サステナブルな想いも大切にしたかった」と、この日はスチームして火入れした『カンパチの香港風ソース』として供された。ではなぜ、香港風か? シェフに問うと、こう微笑んで言う。
「だって、蒸して食べるのがこのカンパチの一番美味しい食べ方だからだよ」
それが、幼い頃から地の魚を食べて育ち、今も釣りが大好きという氏の答え。地元の野菜をふんだんに使ったマカナサラダも、ハワイ料理の定番・ポケもそう。料理の一つひとつには、シェフのハワイへの郷土愛が溢れている。