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  4. 【AMBIGRAM】米津真寛さんが語る外さないイタリアワインの選び方

【AMBIGRAM】

米津 真寛
が語る

外さないイタリアワインの
選び方

年末という季節柄、普段はフレンチやイタリアンに行かない方も、レストランに行く機会が増えるもの。
その際に悩むのは、ワイン選び。【シチリアーナ ドンチッチョ】や【AMBIGRAM】などのイタリアンの名店で、
多くのエグゼクティブにサーブした経験を持つ米津さんに、まずはイタリアワインの選び方を伝授していただきました。
多様なことが特徴のイタリアワインを選ぶ際に、ハズさない方法は料理を先に決めることです
 イタリアワインの面白さは、その料理と同じく、つくられた地域によって個性が多様なことです。日本のように縦に長い国土ですので北部、中部、南部だったり、山や海などの多様な自然から、それぞれキャラクターが明確なのですが、多様である分、どれを選んでいいかわからないという方もいるかもしれません。そんなワインを飲み慣れていない方が困るのは、ワインを選ぶ際にどう伝えればいいかがわからないということだと思います。そんな方にまずオススメなのが、ワインを気にせず、先に料理を決めて、それに合うワインをお店に頼むのが最もハズさない方法だと思います。
 イタリアンを食べ慣れ、ワインを飲み慣れていけば、おのずとこの相性はわかってくることだとは思いますが、焼いた牛や鶏、猪などの肉だったらトスカーナのサンジョヴェーゼ、深みのある煮込みやキノコやチーズを使った料理ならピエモンテのネッビオーロ、あまり地域性の強くない料理ならモンテプルチャーノなど。このように、料理の地域にワインの生産地も合わせていけば、大ハズレすることはありません。あと、ボトルで頼む際は価格帯、何本ぐらい飲めるのかを伝えておけば、お店が的確なワインを選んでくれるはずです。
 自分である程度決めたいときに、まず知っておくべきことは、軽め、ミディアム、しっかりめというボディの重さをイメージできるようになることですね。これに関しては、料理との相性だけでなく、その日の自分の体調とも関連があります。疲れているときは軽いもの、元気なときはしっかりしたもののほうが美味しく感じるはずです。
 次の段階としては、酸味と樽の効き方(*)に関しての好みを知ることです。これらがワインのキャラクターを決める大切な要素なのですが、特に飲み慣れてない方はこれらを苦手にすることが多いです。そういう方と同席する場合、酸味や樽が効いていないすっきりしたものを選んだほうが無難です。
 そうやってワインが詳しくなっていたら、先に「今日はこれを飲みたい」とワインを決めて、それに合わせて料理を決めていくのも楽しいものです。
*熟成する際に樽から香りが移ること 多様なことが特徴のイタリアワインを選ぶ際に、ハズさない方法は料理を先に決めることです
料理との相性とともに、ストーリーを意識すれば、よりワインを楽しめると思います
 コース料理などとともにワインを楽しむ際、私が重要視しているのは、ストーリーをつくるということです。これには2つの意味があります。
 まず一つは、白から赤、軽いものから重いものという流れには逆らわないほうが良いと思います。例えば、お好みや料理によって、中盤で重めの白を飲むのであれば、次には軽めの赤にはいかず、ミディアムかしっかりめの赤から始めます。最近はお好みによって、食事すべてを白で通したり、赤で通したりという方も増えていて面白いと思いますが、だとしても軽めから重めという方向には逆らわないほうが、全体を通して美味しくワインを楽しんでもらえると思います。
 もう一つは、味の好みだけではなく、会食などの場合、ゲストとなる方をもてなすためのワイン選びという意味です。レストランでの食事では、料理とのマリアージュだけではなく、会話が盛り上がることが重要だと思いますので、食べる方の経験と紐付けていくストーリーの出し方です。例えば、イタリア旅行の経験があるのであれば、行ったことのある地域のワインを選ぶと、より身近に感じられると思います。
 あるいは、誕生日や同窓会など、集まりの目的がある場合、それに関連したヴィンテージ(ワインがつくられた年)を選ぶのも楽しいと思います。これなら、ワインに対して深い知識がなくても、楽しく飲めるワイン選びができます。
 お客様として「ワインをスマートに選びたい」と思うようなお店に行く機会というのは、それなりに良いリストランテに行くときだと思います。だとしたら、たいていワインに詳しいスタッフがいるはずですので、気軽に相談するのがもっとも簡単な方法だと思います。当日ワイン選びにバタバタすることがもっともストレスになると思いますので、予約時などに、その会の目的、食べたいものを相談しておけば、食事の際はスマートに美味しくて楽しめるワインが飲めると思いますよ。

米津 真寛さんのオススメのイタリアワイン5選

フランチャコルタ ロゼ/ベルルッキ ‘61

フランチャコルタ ロゼ/ベルルッキ ‘61

一般的なブリュットも良いのですが、年末という季節柄、ロゼが華やかでいいかと思います。特徴としては、ロゼではありますが、甘みが前に出てこず酸のバランスが取れているので、食前酒としてだけでなく食事中にもあわせやすいことです。キメが細かく、柔らかく広がっていく泡立ちなどイタリアのスパークリングのなかでは洗練されていますので、シャンパーニュが好きな方はこれを選ばれると間違いがないと思います。

シャルドネ 2013/タスカ

シャルドネ 2013/タスカ

タスカはシチリアの歴史ある生産者で、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、国際品種をあえて使っているワイナリーです。世界のどこでもある品種だからこそ、シチリアのテロワールがどんなものかわかるという考え方ですね。このシャルドネは、ワイナリーの中でも良い畑で採れるブドウを使い、ダイレクトに南の太陽を感じる味わいです。新樽を使った黄金色が特徴なのですが、濃厚ななかでバランスは取れているところに非凡さを感じます。

レ・リーヴェ 2010/スアヴィア

レ・リーヴェ 2010/スアヴィア

ソアヴェに使われるガルガネラという品種を甘めに仕込んだワインです。収穫してから実の水分を飛ばすことも多いのですが、枝に付けたまま堪えぬいたブドウを選別したものなので、ベタついた甘さではなく、酸を含みながらふくらみのある甘さが特徴。最初から飲むのも良いですが、食後にこれで締めるのもオススメです。時にウォッシュ系のチーズとの相性は抜群で、チーズと合わせるのは赤ワインだと思っている方にもぜひ試してもらいたい一本ですね。

キャンティ クラシコ レ・バロンコーレ 2001/サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ

キャンティ クラシコ レ・バロンコーレ 2001/サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ

トスカーナでもトップクラスの生産者のキャンティで、ちょうど飲み頃を迎えています。おだやかな良い熟成をしていて、『イノシシのラグーソース』などと合わせたら最高ですね。キャンティはイタリアワインの代表格でもある分、生産量が多くピンとキリがあります。また、生産者や扱い方によって味に差が出やすいので、信頼できるお店で状態の良いものを選んでもらうことをオススメします。最高なものに当たれば、イタリアワインへの概念も変わると思います。

バローロ ブッシア 2007/カッシーナ・バラリン

バローロ ブッシア 2007/カッシーナ・バラリン

カッシーナ・バラリンは決して大きな生産者ではなく、その商売っ気のなさが良い方向に働いているバローロだと思います。昔のガッチガチの頭の固い人とも違うし、バローロの特徴を強調する果実感を前面に押し出す新興系とも違う、今のバローロを自然につくったらこうなったというようなスタンスが好印象です。味のバランスも良く、常識的な値段でバローロの良さを味わえることも含めて、これを飲んでもらえれば、バローロを嫌いになる人はいないと思っています。

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