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島の風土が育む美食の旅へ 宮古島の
レストランが
いま熱い!
Hitosara special

伊良部大橋の開通に、下地島空港の新ターミナル開業。
「宮古島バブル」と言われて久しいが、レストランのレベルもここ数年で一気に跳ね上がった宮古島。
いや、昔からそのポテンシャルを秘めていた、といったほうが正しいかもしれない。
宮古島を面白くする個性豊かな5つのレストラン。
宮古ブルーの海と美食を楽しむ旅へ。

Photographs by Yasufumi Manda / Text by Ai Ozaki
Design by form and craft Inc.

  • 神の島と呼ばれる久高島(くだかじま)で獲れるウミヘビ「イラブー」の燻製。
    豚足とともに5時間ほどじっくりと煮込み、泡盛や日本酒の酒粕を加えて仕立てたスープが『オトーリ』スタイルで供される

    Restaurant État d'esprit レストラン エタ デスプリ

    琉球ガストロノミーを世界へ
    若き天才が描く沖縄料理の未来形

     「ようこそ伊良部島へいらっしゃいました」
     シェフが高らかに声を上げると、ゲスト一人ひとりの盃にふわりと磯の香りを漂わせながら白い液体が注がれていく。目の前には、ろうそくの明かりに照らされぬらぬらと光る、真っ黒なウミヘビの燻製。液体の正体は、このウミヘビと豚足を泡盛とともに煮込んだスープだという。車座になって泡盛を回し飲む宮古島の伝統、「オトーリ」のオマージュであり、その名を料理名にも冠したコースの口開けとなる一杯だ。
     東京、パリ、ニースなどの名だたるフレンチの名店で研鑽を積んだシェフの渡真利泰洋氏。5年前、料理長に就任した【Restaurant État d'esprit】も、当初は正統派フレンチの色合いが強かったが、今年劇的な変貌を遂げた。その原動力となったのが「もっと、ここでしか出合えない料理を」との想いだ。ゲストが遠路はるばる島に足を運びたくなる、求心力溢れる料理とは何かを追求。そのために渡真利泰洋氏はまず、どんな食材もあえて島のものを使うと決めた。
     「おいしくないと言われる沖縄の魚も、ちゃんと処理すれば旨くなる。ここでしか獲れない食材で勝負すれば、自ずとオリジナリティも生まれてくるはず」
     たとえば、今、宮古島で害鳥として駆除の対象になっている孔雀もその一つだ。無闇に命を奪うのではなく“食財”として肉と骨からコンソメスープをつくり、アロエを練り込んだ宮古島の素面仕立てに。また金粉を散らして、渡真利氏が研究を重ねている琉球の宮廷料理をイメージした。さらに今後は、そんな島の味を引き立てる個性豊かな泡盛のペアリングもドリンクの主軸に据えていく。
     「もはやフレンチではなく、沖縄料理になりました」と渡真利氏。宮古島の“今”を自由な感性で表現すること。そしてまだ知られざる島の食文化を掘り起こし、未来へ繋げていくこと。新生【Restaurant État d'esprit】の進化に刮目したい。

    • 宮古島出身の渡真利泰洋氏。料理の道を志した当初から、地元で店を開くのが夢だったという
    • 【Restaurant État d'esprit】はリゾートホテル「紺碧ザ・ヴィラオールスイート」内のダイニング。店内からは伊良部の海が見渡せる
    • 元々宮古島にいなかったが、観賞用に持ち込まれ繁殖したことで害鳥に指定された『孔雀』を有効活用したひと皿

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、ご旅行の際には3密の回避やソーシャルディスタンスの確保など、十分に注意し感染予防を心がけください。また、飲食店の営業時間やメニューが一時的に変更になっている場合がございますので事前にご確認いただきますようお願い致します。宮古島の観光について、最新の情報は「沖縄県公式ホームページ」をご覧ください。

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