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Grand Bleu Gamin グラン ブルー ギャマン
海の碧さに魅入られるように
自由な発想で料理の深淵に挑む伝説的フリーダイバー、ジャック・マイヨールをモデルにした映画『グラン・ブルー』。1990年、当時18歳だった木下威征氏が修業先で訪れた南仏の街が、そのロケ地だった。旧市街の美しい街並みと透き通るような碧い海に胸打たれ、「いつかその名を自分の店につけたい」と抱いた夢が30年を経て、ついに実現する。しかも単なるレストランではない。木下氏自身も初の試みとなる、5部屋のプライベートヴィラを備えたオーベルジュ、その名も【Grand Bleu Gamin】だ。
「今までの宮古島にない、新しい食材を」。それがオープン1年前から木下氏が着々と進めてきた壮大なる“仕込み”だ。たとえば、めぼしい生産者に声をかけ、市場に出していない野菜をつくって欲しいと依頼。これまで島になかったルッコラも、種を渡して栽培してもらうよう徹底した。「ないものは自分でつくっていく」。フロンティア精神溢れる木下氏らしいエピソードといえる。
レストランはオープン11年目となる恵比寿の本店【AU GAMIN DE TOKIO】のスタイルを踏襲。ライブ感溢れるオープンキッチンから繰り出されるのは、フレンチをベースに宮古島の食材を取り入れた、独創性豊かな“木下料理”だ。代表的なひと皿『とうもろこしのムースと生うに』は、オニオンチップになるまで焦がした宮古島産玉葱を練り込んだクッキーを合わせて。はたまた『車海老のサイフォンスープ』では、島で養殖する車海老の頭をオーブンでカリカリに焼き上げ粉砕。鰹節とともにサイフォンでドリップし、エビの風味が溶け込む一番出汁を取ることで魚介の旨みが複雑に絡み合い、かつ限りなくクリアな味わいのスープを生み出している。
しかしながら、まだまだ“木下イズム”の真髄からは遠いと本人は言う。
「メニューはまだ完成形じゃない。もっととらわれず、ただただ自由に。究極、何も決めずに、その日の天気やお客様の求めるものにあわせて即興でつくっていくスタイルがいいのかもしれない」
己のスタイルを追い求めて、料理という名の海に、木下氏はどこまでも深く深く潜っていく。
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