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新しいレストランの形がここに! 名店のニューノーマル Hitosara special

外食のあり方が問われるなか、多くのレストランがいま、試行錯誤をしている。
どんな状況下でも、リスクを減らし、食べに来てくれる人をもてなし、
最高の料理で幸せを感じてもらおうとできる限りの対策を施し、営業をするレストランがある。
これからのレストランのスタンダードになるであろう、ニューノーマルな5つの名店を紹介する。

Photographs by Takuya Suzuki , Jiro Otani , Noriko Yoneyama , Shinjo Arai
Text by Natsuki Shigihara , Itaru Tashiro , Ayano Yoshida , Maria Kawashima
Design by form and craft Inc.

  • 店を率いるのは、同い年の北村徳康氏と佐藤正規氏。「二人なら、それぞれが自分のすべきことに全力を尽くせる」と、このスタイルのメリットを語る。ときに意見がぶつかるがこともあるが、それもさらなる向上の原動力になっているという

    荒木町 きんつぎ あらきちょう きんつぎ

    名酒場出身の若き二人が手掛ける
    大人の町・荒木町の次世代和食店

     自分たちが目指す和食は、クラシックよりもエンターテイメント──。ここ【荒木町 きんつぎ】を率いる北村徳康氏と佐藤正規氏はそう口を揃える。だが、派手なパフォーマンスや奇をてらう演出があるわけではない。二人の言うエンターテイメントとは、より本質的な部分。食材や料理から、内装やサービスまでを含め、この店で得られる食体験そのものを指しているのだろう。
     旬魚の握り寿司が盛り込まれる前菜、味や温度で緩急をつけるコース展開、肉料理も登場する全体のボリューム感。それぞれの料理には正統派和食の技術を取り入れつつ、食材の組み合わせや全体の構成で驚きを演出する。2020年には新たに個室も増設し、個室利用の客層に合わせてサービスの距離感も調整した。学芸大学の名酒場【件】で出会った二人だけに、日本酒の扱いも心得たもの。荒木町という大人の町の風情も、心地よい舞台装置になっている。その総合的な満足感こそが、この店で体験できる大人のためのエンターテイメントなのだ。
     2018年、ともに32歳でこの店を開いた同い年の二人。「荒木町の期待の若手」といわれていたが、2年の時を経てより成熟し、店はより確固たる魅力を放ち始めている。

    • 落ち着きとくつろぎが調和する店内。目指すのは「予約が取れない店よりも、思い立ってふらりと寄れる店」だとか
    • 技法は正統派日本料理、演出はエンターテイメント。そのバランスの妙こそが若き二人の経営者の才覚
    • 日本酒は蔵元にも足繁く通う佐藤氏が厳選。単体で完結するものより、料理と合わせて引き立つものを中心にセレクト
    名店のニューノーマル

    地下1階メインフロアに2室の個室があるほか、同ビルの2階に新たに3室の個室を増設。個室は2名、4名、6名、8名用があり、さまざまなシーンで利用できる。予約は常時受付中のため、日程が決まり次第早めの連絡がベター。カウンターも通常より席を減らし、安心できるスペースを確保して利用できる。

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