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青い海、青い空、豊かな自然
南国の風を感じる忘れられない食体験
タヒチの最新TOPレストラン Hitosara special

常夏の楽園タヒチが食材の宝庫であることはあまり注目されてこなかったが、
パイナップルやバニラ、ブルーシュリンプといった名産品に溢れている。
そんなタヒチの食材とトップシェフたちが化学反応を起こし、
タヒチは今、「ポリネシアンガストロノミー時代」を迎えている。

Photographs by Teiki Dev / Text by Murata Ryusuke
Design by form and craft Inc.

  • 18歳のときからパリのレストランで料理の道を究めはじめたシェフのセドリック・イペール氏。
    ここ【Mahanai】でシェフを務めること14年。国内外のお客様が彼の斬新なフレンチ料理の虜になる

    Mahana’i マハナイ

    ラグーンの絶景を目の前に優雅なひとときを
    ポリネシアが認める実力派フレンチ

     メインエントランスから伸びる細い通路を過ぎ、目前に飛び込んでくる水上バンガローとターコイズブルーに輝くラグーン。メニューに目を通す前に思わず見惚れてしまう風景が【Mahana’i】には広がっている。
     「世界各国からバカンスで訪れる方々はもちろん地元モーレア島民まで客層は様々なので、フレンチをベースにアジアンやアメリカンテイストも加えながら、皆様に喜んでいただける料理の提供を目指しています」と律儀に語るのはシェフのセドリック・イペール氏。
     タヒチに在住していた叔父の元を訪ねたことがきっかけで、料理人としてフランス本土からタヒチに渡航してきて28年。家庭も築き、人生の半分以上をこの地で過ごしてきた。
     フレンチポリネシアを象徴する地元食材も積極的にレシピに加えているというシェフが、前菜として紹介してくれたのは『ホタテとファファのラビオリ』。ファファはサトイモの葉のような風体をしているタヒチでよく食べられる葉野菜の一種で、それを1時間近く柔らかく煮込むとホウレンソウのような食感になる。それにココナッツミルクを加えることにより、まろやかで家庭的な優しい味わいに。火入れがばっちりなホタテ、ほぐれるほどに煮込まれたファファ、そしてもっちもちのラビオリから改めて伝わってくるのはシェフの人柄と地元食材へのリスペクトだ。
     余談となるがタヒチではプレファファといって、ファファと鶏肉をブレゼしたものを日曜のブランチに食べることが多く、地元ではなじみ深い味として知られている。
     メインは『マヒマヒのローストとカボチャのグラティネ』。南国では定番ともいえるマヒマヒだが、アバウトにグリルしてしまうとすぐにパサついてしまう。両面に焼き色を軽く付け、残りの火入れをオーブンで行なうことでミディアムな最高の状態に。糖度の高い地元産のカボチャはチーズとの相性が良く、芳醇に香るバニラソースが、淡白なマヒマヒと濃厚なカボチャのグラティネの潤滑油となっている。
     モーレアでのひとときを締めくくるのはフォトジェニックな球体スイーツ『 マナヴァ・スフィア』。仕上げにゲストの目の前で注ぐのはレッドベリーのホットソース。チョコレートベースの球体の中からタヒチ産完熟バナナのロースト、酸味のアクセントが心地よいパッションフルーツのムース、清涼感漂うイチゴのソルベに、食感の変化を与えるクランブル。更にはスパークリングシュガーが仕掛けられており、口の中でパチパチ弾ける。シェフの遊び心溢れるスイーツだ。
     シェフが15歳の頃から丁寧にフランスで何層にも積み重ねてきた経験と知識。タヒチの食材に最大限の付加価値を与える感覚と技術。キレイな海の景色も忘れるくらい夢中になりながら舌鼓を打つことができるのが【Mahana’i】である。

    • 『マヒマヒのローストとカボチャのグラティネ』。両面焼いているが限界までレアに仕立てた逸品。バニラのソースがほどよい甘さと香りを演出している
    • チョコレートの芳醇な香りは、食後に一息しっとりと落ち着かせてくれる『マナヴァ・スフィア』。とろ~り、パチパチ、サクサク、いろんな食感が面白い上品なデザートだ
    • プリプリとした食感の後に柔らかくほどけ、甘みが広がるホタテは火入れが完璧な『ホタテとファファのラビオリ』。むっちりとした食感のラビオリには僅かな塩味があり、ホタテの甘さをより引き立てる
    シェフの流儀 セドリック・イペール氏

    店名の【Mahana’i(マハナイ)】は「太陽」という意味。その名の通り、タヒチの太陽に似合うような晴れやかな料理を得意とするセドリック・イペール氏は「ホテルでシェフをしているので国籍に関わらず楽しめる料理を心がけています」と語る。パパイヤ・カボチャ・マンゴーなどの原料は「タヒチ産」をふんだんに使用している。

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