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グローバルな食のパラダイスへ 香港の
TOPレストラン
Hitosara special

意欲的な東西融合や伝統復活など、シェフの挑戦を歓迎するダイナーが集まるのが、活気溢れる食い倒れの街・香港。
世界中から集まるシェフも食材も高水準な国際都市で、本場の広東料理はもちろん、
今の香港で食べるべき最先端レストランをご紹介します。

Photographs by Miyuki Kume, Billy Ha, Takuya Suzuki / Text by Miyako Kai, Shinji Yoshida
Coordination by Miyako Kai / Design by form and craft Inc.

月掲載
  • Bo Innovation ボー イノベーション

    シェフの半生が、
    料理に空間に息づくモダンカントニーズ

     「料理は舌で味わって、脳を刺激するものではない。自分の料理は、料理そのものが直接、脳を刺激するものです」
     そう話すのは、自らを「デーモン・シェフ」と名乗る料理長のアルヴィン・ラン氏。料理人とは思えぬ風貌と少し尖った発言、そしてコンセプチュアルなダイニング空間やカントニーズらしからぬ料理の品々。それらだけを掬い上げれば、確かにセルフプロデュースのうまいシェフと思うことだろう。しかし、料理を味わうほどに実感する。冒頭のシェフの言葉に偽りはない、と。
     コースの一品目から怒涛だ。『チャイルズ プレイ』と名付けられた一品はすごろく版の皿の上に、フィンガフードのアミューズが3つ。脇には香港のストリートフードをアレンジしたエッグワッフルが添えられる。これらはシェフの幼き頃の記憶が料理となったもの。それだけではない。『クラシックアップグレード』も『バック オン ザ ストリート』も、すべての品々にシェフの思い出と記憶の端々が表現されているのだ。聞けば、エントランスからダイニングへと続く壁に描かれるのは、シェフの記憶に刻み込まれた香港へのイメージを壁画にしたもの。ここは、まさしくシェフの半生が息づいたレストランといえるのではないだろうか。

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