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  3. 進化が加速する、韓国・ソウルのトップレストラン5選

進化が加速する 新たな潮流が渦巻く
ソウルのTOPレストラン
Hitosara special

進化の加速具合という観点で見ると、アジアでもトップクラスにある韓国のグルメシーン。
「ミシュランソウル」から「アジアのベストレンスラン50」まで、注目のトップレストランにヒトサラ編集部が迫る!

Photographs by Tsutomu Hara / Text by Shinji Yoshida / Coordinate by Ja-Kyung Jyung
/ Design by form and craft Inc.
協力:韓国観光公社

  • 食べ終えた皿はこのようにして積み上げられていく。塔が完成すると、締めのサムゲタンが供される

    漢南塔 ハンナムタップ

    塔のように積み重ねていく器
    そこに込められた思いとは?

     2018年4月、漢南洞(ハンナムドン)地区にオープンしたばかりの【漢南塔】。シェフのチョ・ヨンジェ氏は、大学院の調理学科を卒業後、CJグループという大手企業のメニュー開発に10年間携わり、グローバルチームではイギリスやアメリカなど世界を渡ってきた人物。さらに、ソウルの【bibigo】でエグゼクティブシェフなどを務めた後、自身の店をオープンさせた。
     そんな豊かな経験こそが、現在のシェフを形づくっていることは当然で、チョ氏は「運が良く、修業時代にはいろんな国の料理に携わることができた。その多様な食文化に触れた経験が、母国の料理を突き詰めることの大切さを、気付かせてくれたんです」と話す。
     だから、料理は無理にひねることなく、韓国の伝統の味を引き出すことを信条とする。一方で、チョ氏は「美味しいは当然、食べて“楽しい”と思える料理は、今も昔も変わらない自分の理想です」とも語る。その結果がこの店のスタイルになっているのだろう。
     「韓国には、『念を込めてつくった塔は崩れない』から転じて、『真心込めてつくったものは無駄にはならない』ということわざがあります。うちの料理は、そこから生まれています」
     ひと皿食べるごとに器を積み上げて行くスタイルは何とも痛快。前述の通り、韓国の伝統を大切にした、しかし盛り付けは美しい料理の数々。「楽しく食べて、そして韓国の伝統を知ってほしい」。この塔にはチョ氏のそんな思いが込められている。

    • さまざまな国での経験が今に活きるというシェフのチョ・ヨンジェ氏。ソウルでは和食の経験も
    • ひと皿目に登場した前菜の盛り合わせ。旬魚の韓国風刺し身やタンピョンチェという伝統料理も登場
    • カルククスという韓国の平打うどん。海苔のパウダーとウニのソースを絡めると豊かな磯の香りが広がる
    シェフの流儀 チョ・ヨンジェ氏

    「今は韓国料理をストレートに表現した料理が圧倒的に多い」というシェフだが、イベントでは他ジャンルとのコラボレーションを行うこともしばしば。休みの日は、話題の店を食べ歩いたり、メニュー開発に費やしたりと、食への探求に余念がない。

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