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青い海、青い空、豊かな自然
南国の風を感じる忘れられない食体験
タヒチの最新TOPレストラン Hitosara special

常夏の楽園タヒチが食材の宝庫であることはあまり注目されてこなかったが、
パイナップルやバニラ、ブルーシュリンプといった名産品に溢れている。
そんなタヒチの食材とトップシェフたちが化学反応を起こし、
タヒチは今、「ポリネシアンガストロノミー時代」を迎えている。

Photographs by Teiki Dev / Text by Murata Ryusuke
Design by form and craft Inc.

  • タヒチの料理界を牽引する一人であるフランク・ダヴィド氏。他の追随を許さないタヒチでの経験を持ち合わせる。
    一方で後輩からも謙虚に学ぶ姿勢、地産地消を意識する姿は、第一人者としての責任感を強く感じる。

    Le Lotus ル・ロータス

    タヒチのトレンドが詰まった
    唯一無二の水上レストラン

     「2人の若手スーシェフのおかげで最新の調理法やトレンドを学ぶことも多くあり、素晴らしいスタッフに囲まれて仕事ができています」と語るのはインターコンチネンタル・リゾート・タヒチの水上レストラン【Le Lotus】でシェフを勤めるフランク・ダヴィド氏。フランスだけでなく、スイス、ベルギー、イタリアなどの星付きレストランで修業時代を過ごし、25歳でタヒチに移住してからは51歳となった現在まで【Le Lotus】一筋だ。
     クラシックフレンチをベースにするシェフがまず紹介してくれたのは『豚のフィレミニョンとフォアグラのパンペルデュ〜マペのムスリンソース〜』。最高級部位のフィレミニョンは低温でじっくりとローストされておりジューシーな仕上がり。パンペルデュは卵液にパンを浸すのが通常だが、シェフはフォアグラ、パン、卵液に塩胡椒で味付けしたものを撹拌する。型に流し込んだタネを2時間蒸して成形したものをオーブンで焼き上げ、仕上げにフライパンでポワレして焼き色を付けるとようやくテーブルへ。撹拌したことでテクスチャーにもテイストにも一切ムラがない希代のパンペルデュが完成する。
     ソースは蒸したタヒチ産のマペ(栗の一種)を乾燥させパウダー状にし、ヘーゼルナッツバターと生クリームで伸ばしたもの。カカオのような香りの余韻がインプレッシブでお肉やパンペルデュとの絡みが秀逸。
     魚料理は『カスミアジのポワレとフェイのタルトレット〜カッテージチーズクリームソース〜』。肉厚にカットされたカスミアジはタヒチではパピオとも呼ばれる高級魚のひとつ。タヒチで植栽されている調理用バナナのフェイを使ったタルトレットは心地よい酸味が特徴的で、まろやかなカッテージチーズのソースとのマリアージュが楽しめる。
     デザートは『ローストパイナップルとバニラアイスクリーム』。モーレア島で収穫された小振りのパイナップルはクイーンタヒチ種と呼ばれ、芯までいただくことができる。濃いイエローで知られるモーレアのパイナップルだが、ローストされるとパイナップルのイエローが増し、甘さも凝縮される。バニラ島とも呼ばれるタハア産のバニラビーンズを贅沢に使用したアイスクリームとの相性も抜群。シェフは「私たち料理人はフェヌア(故郷)が食材の宝庫であることを伝えていくべきだと思っています」と語る。タヒチでも発信されている地産地消に関する意識改革。「私たち料理人はフェヌア(故郷)が食材の宝庫であることを伝えていくべきだと思っています。」と語るシェフからのプレゼントはシンプルながらタヒチでしか堪能出来ない究極のデザートだった。

    • パピオやフェイといったタヒチならではの食材を使用した『カスミアジ(パピオ)のポワレとフェイのタルトレット』。さわやかな酸味が感じられる軽やかな仕上がりは、女性にも評判が高い
    • 太陽をたっぷりと浴びた地元産の芽キャベツやローカルインゲンの甘みは、主役のフィレ・ミニョンのおいしさをより一層引き立てる
    • 【Le Lotus】での食事を締めくくるのに相応しい、ポリネシアのポテンシャルの高さを感じさせるデセール
    シェフの流儀 フランク・ダヴィド氏

    輸入食材に頼ることなく、フレンチポリネシア領土内で現地調達できる食材を、有名なものからまだメジャーではないものまで積極的に使用してきた。今後はオーガニックや自家栽培した野菜なども取り入れながら「ポリネシアは食材の宝庫であることを内外にアピールしていきたい」と語る。

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