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  3. 進化が加速する、韓国・ソウルのトップレストラン5選

進化が加速する 新たな潮流が渦巻く
ソウルのTOPレストラン
Hitosara special

進化の加速具合という観点で見ると、アジアでもトップクラスにある韓国のグルメシーン。
「ミシュランソウル」から「アジアのベストレンスラン50」まで、注目のトップレストランにヒトサラ編集部が迫る!

Photographs by Tsutomu Hara / Text by Shinji Yoshida / Coordinate by Ja-Kyung Jyung
/ Design by form and craft Inc.
協力:韓国観光公社

  • 乾燥させたキムチやじゃがいも、コチュジャン、トマトなどを使い、赤とんぼに見立てたスペシャリテ

    RYUNIQUE リュニーク

    韓国食材が和仏の技と邂逅
    ソウルを牽引するレストラン

     「僕の料理は、韓国の食材を使い、日本料理とフレンチのテクニックを駆使したハイブリット・キュイジーヌです」
     流暢な日本語を操ってそう切り出すのは、シェフのリュウ・テファン氏。5年以上に及ぶ日本での修業、さらにシドニー【Rockpool Bar & Grill】やロンドンの三ツ星【Gordon Ramsay】などでも研鑽を重ねてきたリュウ氏は、コンテンポラリーコリアンという概念を韓国のグルメシーンに取り入れたシェフのひとりである。
     といえば、聞こえはいいが、リュウ氏が今のような名声を得るまでは決して順風満帆ではなかった。とりわけ2011年に【RYUNIQUE】をオープンした当初は、生みの苦しみにもがいたという。
    「『何なの? この料理』なんて言われることはよくあったし、自分の料理がまったく理解されなかった」。しかし、3~4年が経つ頃、そのリュウ氏の感性にようやく周りが追いつき始めてきた。2015年の『アジアのベストレストラン』27位、2016年の『ミシュランガイドソウル』での一ツ星獲得は、まさにそれが結果となった形だ。
     テーブルには、韓国の地図とそこにポイントされる食材の数々が描かれたカードが置かれている。現在は食材の70%ほどを韓国食材で賄っているそうだが、まだまだ韓国には知られざる食材が眠っているのだそう。
     「今も休日などを使って韓国全土の生産者のもとを巡っています。よい食材と出会うことはもちろん、生産者の情熱は、僕の料理のインスピレーションの源ですから」  リュウ氏はそう言って笑う。未完のハイブリット・キュイジーヌはこれからもソウルグルメのトップシーンを突っ走る。

    • 日本でいうところのハタハタをたたみイワシ風にプレス。イクラやジャガイモのピュレとともに
    • シェフのお気に入りの食材でもある烏骨鶏は和仏のテクニックを使い多彩に調理。韓醤(カンジャン)ソースで
    • シェフのリュウ・テファン氏。日本での修業経験が長く、日本ではその繊細な技の奥深さに感銘を受けた
    シェフの流儀 リュウ・テファン氏

    生産者と向き合い、話を重ねるだけでなく、生産者とともに新たな野菜の栽培などにも積極的。シェフの食材に対する探究心は韓国グルメシーンにも大きな影響を与えているのは間違いなく、その活動は韓国食材の未来を担っている。

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