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未来への答えがここにある SDGsなレストラン Hitosara special

SDGsという言葉が世間に浸透しはじめて久しいが、
飲食業界において、それはもはやつくり手だけの問題ではなく、
食べ手もそれを意識するべき時代が到来している。
ただし、その根底にあるのは、美味しさであり、食事の楽しさだ。
今回はそんな美味しく、楽しいSDGsなレストランをご紹介する。

Photographs by Kayoko Ueda , Takuya Suzuki , Mami Hashimoto /
Text by Koji Okano , Natsuki Shigihara , Ayano Yoshida /
Design by form and craft Inc.

  • 和牛フィレ肉とフォアグラの濃厚な味わいを、黒トリュフのソースがまとめあげる。
    『⽜フィレ⾁とフォアグラのソテー 黒トリュフのソース』は、ソースによって食材の魅力を引き出す正統派フランス料理だ

    ASAHINA Gastronome

    伝統の枠の中でさらなる驚きを生む
    現代における正統派フランス料理

     「日本におけるフランス料理の旗手となること」

     日本橋兜町に店を構える【ASAHINA Gastronome】のシェフ・朝比奈悟氏は、気負いもなくそう話す。その表情からみえるのは、自身が歩んできた道の自信と誇り、そしてフランス料理への深い信頼。グローバル化により世界各国の料理が身近になったが、やはり美食の頂点はフランス料理だ、と。

     名門ホテルから世界的巨匠の右腕という王道を歩んできたそのキャリアの通り、朝比奈氏の料理はソースが主食材を引き立てるクラシカルなフランス料理。どれだけ流行が移ろおうとも「美味いものは不変」という思いを発信し続ける。そしてその「伝統」というフォーマットの中に現代的な革新を潜ませるバランスこそが、朝比奈氏の料理の魅力。その真髄を氏は「論理的であること」と分析する。

     論理的とはつまり、塩のひとつまみに至るまで「なぜそうしたのか」が説明できること。たとえば定番の『牛フィレ肉とフォアグラのソテー 黒トリュフのソース』では、クリスピーに仕上げた牛バラ肉をプラス。これにより重厚な料理に風味の広がりが加わり、かつ食感に変化をつくことで咀嚼の回数が増え、結果として味わいに深みが増すのだ。

     料理には感性や閃きも必要だろう。無論、朝比奈氏の料理にも、天才的閃きによってもたらされる驚きや発見が潜む。ただしそれらを論理によって制御することで、正統派の枠に着地するのだ。古いようで、新しい。見たことがあるようで、初めての美味。そんな唯一無二のフランス料理が、この店で待っている。

    • 大胆な発想、確かな技術、繊細な盛り付け。本物のフランス料理を体現する朝比奈氏
    • ホワイトとシルバーを基調にした店内は、おだやかでありながら非日常感も醸す不思議な空間
    • ワインの存在もフランス料理では不可欠。600本に及ぶストックであらゆるゲストの要望に応える
    ここがSDGs

    フランス料理にはやはりフランス産食材が不可欠だが、【ASAHINA Gastronome】では、縁あって出合った青森県東通村の食材を使用。ホタテやアワビをはじめとした魚介、寒さの中でうまみを蓄える野菜、そして東通牛。シェフが太鼓判を押す小さな村の食材を使用することで、地元の食材生産を影で支えている。

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