カルネヤ | 料理人- 高山　いさ己 氏がオススメするお店

私がオススメする理由

美味しいイタリアンが食べたい時は、中目黒のこの【イカロ】へ向かいます。シェフの宮本さんは、とても丁寧な仕事をされます。余計なことをしない調理法は、潔さすら感じるほど。特に好きなのは、『トルテッリーニ イン ブロード』。ブイヨンに、肉詰めパスタを浮かべた料理ですが、非常に手間がかかります。これをグランドメニューにしているところが素晴らしいですね。また、料理提供のタイミングは押さえながら、近づきすぎない接客もとても居心地がよいです。

私がオススメする理由

宮木シェフは、イタリア料理の基礎をしっかり学んだ方。しかし“モンド”の名が示すよう、クリエイティブな料理を作られます。昔ながらのレシピを、軽やかに仕上げる。味付けが軽いのではなく、盛り付けや口当たりが軽やかで、まさに“見目麗しい”という感じ。ソムリエの田村さんは毎週舟を出していて、釣り上げた魚を使った料理は絶品です。自由が丘駅から少し歩くのですが、僕は毎回迷子になります（笑）。「ここかなぁ」と冒険するように歩いていると、ひっそり佇むお店が見えてくる。そんなロケーションも魅力ですね。

私がオススメする理由

身体想いの中華料理をいただけるのが、新宿御苑近くにある古月です。素材もよいものを使っていますし、化学調味料を使用していないので食後感がとても軽い。これだけの料理を提供してこの値段かと驚きます。なかでも好きなのは、『四川麻婆豆腐』。花山椒が効いていて、クセになる味わいです。紹興酒を飲んで美味しい料理をいただき、最後には中国茶でシメるなんて楽しみ方もできます。

私がオススメする理由

浅草で棒寿司を食べさせてくれる、わずか６席のお店です。しょっちゅう通っていて、味は抜群。『棒寿司』と『芋吸い』を必ず頼みます。店主はまさに板前といった風貌なのですが、話しはじめるとまるで芸人さんのように面白い。店主に会いたくて通っている面もありますね。13時から20時までの営業なので、遅く起きた時にも使い勝手がいい。自家製のカラスミや卵焼きなどの肴も美味。おやじが一人でしみじみと飲める、貴重なお店です。

私がオススメする理由

代田橋にある沖縄そばのお店です。和とも中華とも違う、澄み切ったお出汁が特徴的です。化学調味料は不使用。麺も自家製の手打ちだから、ほっこりとした美味しい味わいです。沖縄そばと、全粒粉を使った「おばぁの麺」が選べます。もちろん、おそばだけでも満足できますが、酒の肴や泡盛の種類も豊富。少しお酒を楽しんだあと、シメにおそばをいただくのもおすすめです。

私がオススメする理由

【エノテカ】で総料理長を務めた金子シェフが独立して下北沢に開いたのがクスクスのお店。「クスクス」というのが意外ですよね？ 僕自身とても驚きました。でもこれが、とっても美味しいんです。リーズナブリでボリューム満点！ おすすめは、『羊のクスクス』。羊肉はあまり得意ではありませんが、金子シェフの焼く羊は格別です。フレンチのシェフが一所懸命に作ったクスクスの味を、ぜひご堪能ください。

私がオススメする理由

この『とんかつ』を食べに、日本全国からファンが押し寄せる名店。もう、芸術の域に達していますね。『とんかつ』というと、衣がサクッとして肉汁がジュワッと出てくるイメージがあると思いますが、【すぎ田】さんのとんかつはまったく逆の発想。20分ほどじっくり低温で揚げ、最後に高温でさっと通すことで、肉汁を最後まで閉じ込めます。サクっと噛むと、肉汁は一滴も漏れずそのまますっと入る。そして肉の繊維から旨味が溢れ出てきます。職人さんがとんかつを揚げている姿も、また絵になるんですよね。

私がオススメする理由

熟成鮨を食べさせてくれる二子玉川のお店です。シャリはアルデンテという感じで、赤酢がキリッと映えています。このお店は他の鮨店とは比べることができません。なぜなら、忘れられないほど突出して美味しいネタと出会うことがあるからです。『コチ』の熟成鮨がそのひとつ。『コチ』のねっとりとした食感が舌と一体化して、どちらが自分の舌なのかわからなくなるような感覚にみまわれました。

私がオススメする理由

蕎麦がとにかく太いんです。僕がいつも頼むのが“ひやだい”。『冷やし肉南蛮そば大盛り』の略です。幅広く切った豚ばら肉、ざく切りの長ネギ、濃いめに炊いたおつゆと一緒に、蕎麦をもりもりと掻き込みます。啜るというより、噛んで食べるお蕎麦。下町のソウルフードです。冷やしといっても、油が固まらないようにおつゆは常温。中学２年の頃から通っていますが、大人になった今もまったく味が変わらないところがすごいですね。

私がオススメする理由

ピエモンテの郷土料理をベースとするイタリアンをいただけるお店です。ピエモンテ料理は、けっこう重め。決して媚びることはないのですが、東京の人が受け入れやすいようボリュームなど上手く工夫されているところは“さすが”のひと言。東京で『フィナンツィエーラ（色々な内臓の煮込みピエモンテ風）』を食べるならここが１番です。伝統的なイタリア料理のレシピは手間がかかるのですが、それでも妥協しない姿勢に、仕事ってこういうことだなと感じます。目の前が代々木公園なので、土日のランチに行くのも爽やかでおすすめです。