1. ヒトサラ
  2. ヒトサラワールド
  3. 香港のトップレストラン11

グローバルな食のパラダイスへ 香港の
TOPレストラン
Hitosara special

意欲的な東西融合や伝統復活など、シェフの挑戦を歓迎するダイナーが集まるのが、活気溢れる食い倒れの街・香港。
世界中から集まるシェフも食材も高水準な国際都市で、本場の広東料理はもちろん、
今の香港で食べるべき最先端レストランをご紹介します。

Photographs by Miyuki Kume, Billy Ha, Takuya Suzuki / Text by Miyako Kai, Shinji Yoshida
Coordination by Miyako Kai / Design by form and craft Inc.

月掲載
  • 8 1/2 Otto e Mezzo Bombana オット エ メッツォ ボンバーナ

    圧倒的な素材感を残し、
    結びつく一体感の妙味

     2011年に、イタリア国外にあるイタリア料理店でミシュラン初の三つ星に輝いて以来、その輝きを保ち続ける【オット エ メッツォ ボンバーナ】。「アジアのベストレストラン50」でも4位にランクされ、名実ともにアジアのベストイタリアンのひとつとして知られている。
     そんな店の料理だが、一見するとやや掴み所がない。どこかの郷土料理に力を注ぐわけでもなく、シェフのウンヴェルド・ボンバーナ氏曰く、「オールラウンド」という料理。かといってコンサバすぎもしないし、イノベーティブというほど攻め感はない。しかし、食べれば分かる。その圧倒的な素材感と、その見事な調和こそ、この店の凄みだと。
     たとえば、トマトソースのようなパスタは、実は赤エビの頭をミキサーにかけてソースにしたもの。迫り来るエビの香り、旨み、その僅かな隙間をドライトマトの酸味でつなぎ合わせ、パスタに絡んでいく。あるいは、ホタテの前菜。マリネした北海道産ホタテに合わせたのは青リンゴの小さなキューブと、ウニ、オーストラリア産の黒トリュフなど。海と山と大地の幸の、さまざまな香りと食感、味わいが口の中で主張しあったかと思うと、やがて得もいわれぬ一体感に包まれていくのだ。
     「大切なのは、いい食材であって、それは技術よりも優先される。それらの個性や食感、香り、風味、旨みをいかに美味しさに結びつけるかが、シェフの仕事」
     週末となれば数ヶ月待ちは当たり前。人気、実力ともにまさに香港を代表するトップレストランである。

Back to Top