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シェフがオススメするお店 特別企画vol.2

【カルネヤ】 高山いさ己シェフと行く、肉の名店3 高山いさ己 氏の料理人情報を見る

“肉好き”なら外すことのできない名店が神楽坂【カルネヤ】、そして西麻布【カルネヤサノマンズ】です。
オーナーシェフの高山いさ己さんは、浅草の老舗焼肉店に生まれ、幼少の頃からお肉に囲まれて育ってきました。
お肉のスペシャリストとして自ら高い技術をもつ高山さんが実際に足を運び、
心から美味しいと感じた、とっておきのお店を紹介していただきます。

「真摯に肉と向き合う覚悟と、料理人の哲学を感じるお店に惹かれる」

 美味しいお肉が食べられるお店として、高山いさ己さんがまず名前を上げたのは、2014年に中目黒にオープンした【Steak Dining Vitis】。煉瓦造りの炉窯を使い、紀州備長炭“馬目上小丸”で焼き上げる『炉窯焼きステーキ』をいただけるお店です。オープン後、ほどなくお店を訪れたという高山さんはその味を「その年に食べたなかで、お肉を一番美味しく感じられた」と語ります。
この日も、ステーキをひと口頬張った瞬間に「この美味しさは驚きですね! 塩と胡椒だけでこの味でしょ」と感嘆の声を上げます。約800度まで達する備長炭の直火で表面を一気に焼き、余熱で火入れをしているため、表面はカリッとしていて、なかはしっとりジューシー。
「ただジューシーなだけじゃなく、炉窯で焼くことでお肉の繊維まで水分が行きわたるんですよ」と高山さん。
【Steak Dining Vitis】のオーナーシェフ・結城壮平さんが「高山さんがお見えになったのはオープンしたばかりで、正直、色々と迷っているところもありました」と話すと、高山さんは「それでもお肉は迷っていませんでした。料理人として、肉を生業にしていく覚悟と哲学を感じたんです」と答えます。「光栄です」と照れながら笑う結城シェフ。
「炉窯焼きというジャンルを、少しでも多くの方に知っていただきたいと独立したので、その想いが私のつくるひと皿にもし表れていたのなら嬉しいですね」
この日も肉談義に花を咲かせていた両氏。自分自身が一番美味しいと思うお肉を提供する形に落ち着いたという結城さんと、多岐にわたる種類を扱い、常にニュートラルな立場でお肉に向き合っているという高山さん。考えの違いはあれ、お肉を愛する気持ちは同じです。

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シックで、落ち着きのある店内。個室もあるので、ゆっくりとくつろいでお食事を楽しめます。

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厳選された、上質な赤身と脂が共存する黒毛和牛。炉窯で焼き上げることで、旨みを最大限に引き出します。

「プロフェッショナルの目から見る、お肉との付き合い方」

 お休みの日には、飲食店を巡るという高山さん。気になるお店があれば、北海道から佐賀、福岡、岡山と遠方まで足を運びます。
そんな高山さんがこだわっている美味しく肉を食べる方法があるとのこと。
「まずは、繊維に沿ってお肉を切るのが定石です。一方で【Steak Dining Vitis】で提供しているような塊肉は、様々な角度から切って味の違いを楽しむのもおすすめ。シルキーな食感のお肉が、あえて繊維を残して切ることでまた違った味わいを見せてくれます」
それが“お肉と仲良くなる方法”だと語る高山さん。そのお眼鏡にかなったお店に外れはありません。

「お肉を美味しそうに見せるお店はたくさんあります。でも、そこに料理人の哲学や、何か突き抜けているところがないと心から美味しくは感じられません。今回ご紹介するお店は、いずれもその条件を満たした素晴らしいお店です」

高山氏がオススメする肉の名店3

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東京・中目黒
Steak Dining Vitis

厳選した黒毛和牛を、特製煉瓦づくりの炉窯で焼き上げています。高山さんいわく「上質な赤身と脂が共存する黒毛和牛は焼き方が難しい」そう。備長炭の香りを纏ったお肉は、旨味を凝縮しながらも後味は驚くほど軽やか。
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東京・市ヶ谷
炭火焼肉なかはら

高山さんをもって「ありえない」と言わしめる焼肉店。美味しいお肉しか提供したくないと、余分な部分を豪快に削ります。「1キロのお肉なら300グラム程度しか提供していないと思います。あの姿勢はマネできないですね」。
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東京・渋谷
ゆうじ

焼肉割烹といった佇まいの【ゆうじ】。「お肉業界で、僕が一番尊敬しているのがゆうじさんです」と高山さん。常に研究を怠らず、どんなお肉・ホルモンにも、その味を最大限に引きだすタレが用意されているそうです。
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