国内外の懐石料理界で活躍した後、サントリーのグルメ開発部なども経験した、鳥料理【たて森】の建守さん。
美味しい店があれば東へ西へと足を運ぶ研究熱心さも知られている彼に、
実際に舌鼓をうち、その技術をリスペクトする、とっておきの日本料理のお店を紹介していただきました
建守さん自らの手がける和食の分野で、これぞ!という技を持つお店として、まず名前が挙がったのが、神楽坂の【虎白】。2016年度版ミシュランで、3つ星に昇格した会席の名店です。 「まず発想がずば抜けています。トリュフやフォアグラ、キャビアを使ったり、食材など日本料理の枠にとらわれずチャレンジしているのに、あくまで和であることに落とし込む基本技術の高さがすごい」と建守さんは、この日も給された皿を前に頷きまくり。 「そうですね。日本料理の枠に収めるように気は遣っています」と【虎白】の大将・小泉さん。「ただ新しいことをやっても、美味しくなければ意味はないので、あくまで美味しい料理をお客様に提供したいという気持ちはブレずにやってますね」。
店内はカウンター席とテーブル席があります。落ち着いた和の雰囲気の中に、モダンなセンスが光ります
出汁の効いたあんにとろりとした卵を溶かしていただく【牛肉の白和え、温泉卵】
建守さんも同じ料理人として、どうすればこんな料理を生むアイデアを得られるのか?ということが気になるよう。「やはり食べ歩きが一番勉強になります。ジャンルを問わず、フレンチもイタリアンも中華も気になる店は食べていたので、自分の料理に活かすにはどうすればいいだろう?ということを、常に意識的に行ってきた結果でしょうか」という小泉さんの答えに、「具体的には、どんなお店に行くのですか」と、さらに深堀ろうとする建守さん。「最近では京都に行く機会が多いですね。いつも伺うお店を楽しみつつ、新しいお店を試してみます」と、料理人が持つアンテナに関して話が弾んでいきます。 この【虎白】に限らず、基本の技術がしっかりしていれば、どんなカテゴリーのお店でも勉強になるという建守さん。まったく別のベクトルで、気になる技を持つ和食店をほかにも挙げてもらいました。