1. ヒトサラ

ハワイで話題の人気カジュアルレストラン5選

ハワイの美食家でフードコラムニストのショーン・モリス氏と、現地で活躍するフードライターの工藤まや氏にオススメのレストランを教えてもらいました。ハワイのシェフたちもオススメする、一度は訪れたい人気店ばかりです。旅行の計画が決まったら要チェック。

Mediterraneo Italian Restaurant
メディテラネオ

 美味しいレストランが多く点在するサウスキングストリートにあるコテージ風の店【メディテラネオ】。ひとたびドアを開ければ、オーナーシェフ・ファブリッツィオ氏が両手を大きく広げて招き入れてくれる。

「さあ、今晩は楽しんで行ってね」と言わんばかりのイタリアンスタイルがこの店の前菜。アメリカ風や日本風のイタリアンとは一線を画す料理は、マンマ直伝のローマ風家庭料理をメインにしており素朴ながらクラシックで力強ささえ感じる。

 ローマのパスタといえばカルボナーラ。卵黄にスモークしたパンチェッタを加えドライに仕上げてあるからワインとの相性が抜群。「アメリカ人には決して人気のパスタではないけれど、長くやっているとこれがうまいと気づいてくれる人がいる!だから海外で料理を作るのは楽しいね」と氏は語る。

 ポルチーニを惜しげもなく使うパッパデッレは自家製麺。少量のクリーミーソースを絡めることにより素材が活きる一品となっている。

 イタリアンな黄金カラーのフードがいいテンポで胃袋におさまる様にワインも数本空いて、まるで友人宅にお呼ばれでもした気分に。気がつけば、ファブリッツィオ氏が隣に座って飲んでるなんて光景もしばしば。そんなシェフとシェフの作る味は離れたイタリアを思う愛に満ちている。

Mediterraneo(メディテラネオ)

  • 住所:1809 S. King St. Honolulu, HI 96826
  • 電話:+1 808-593-1466
  • 営業:[月~土]17:30~21:30
  • 定休:日曜

The Food Company Café
ザ・フードカンパニー・カフェ

 観光化が進むカイルアにありながら、地元住民に絶大に愛される店がある。一見そっけないほどの佇まいであるが、メニューを見れば、地元食材をふんだんに使用し、手間も時間もかかる一流料理名が並ぶ。コナ産アワビのエスカルゴ風や、フレッシュビーツのサラダ、ラベンダーの香りを纏ったダックブレストなど。世界を旅し、その土地のシェフたちと切磋琢磨し、自分の舌に残した記憶と記録をたどりながら創造するジェイソン・キヨタ氏流のリージョナル・クイジーヌが繰り広げる饗宴である。

 生のビーツは土臭さを取り除きながら大地のミネラルを保ちサラダに仕上がっている。赤ワインをベースに煮込んだショートリブは肉の柔らかさはふかふか、旨味は最大限に閉じ込めてある。なにひとつ手を抜くことのない姿勢が気持ちいい。ここはハワイでは時折あるBYOB(Bring Your Own Bottle)。アルコールは置かず、客が好きなものを持ち込めるシステム。さっそく良いワインでも開けたくなるじゃないか! 常連客にはナパバレーの有名ワイナリー「パルメイヤー」のオーナーもいて、自分の作った高級ワインを持ち込み一人食事を楽しむのだという。

 究極のグルメとはファインダイニングの名に媚びることなく、美食を探り当てていくことであろう。今は隠れ家である場所も、カイルアタウンの喧騒のように多くの美食家が集う日も遠くはなさそうだ。

The Food Company Café(ザ・フードカンパニー・カフェ)

  • 住所:1020 Keolu Dr. Ste D1 Kailua, HI 96734
  • 電話:+1 808-230-2333
  • 営業:[火~土] 11:00~15:00、17:30~21:00
  • 定休:日月曜

Opal Thai
オパール・タイ

 オーナーシェフのサニス氏(通り名はオペル氏)はアレルギーと好き嫌いを聞いて、あとはすたすたとキッチンへ入りオーダー。客の様子から今まで食べてきたであろうタイ料理を想像するだけでなくぴたりと当てて、過去に食べたことのない品々をテーブルに運んでくる。つまり、メニューはあるが注文はサニス氏の手の内で決まる究極のおまかせ。 初めて食べるタイ料理!  と驚いて口にすれば、「これこそがタイ料理です!僕を信じてください」と言う。とにかく自信に満ち、ホスピタリティー溢れている。

 料理上手だった祖母の味、バンコクのマーケットで食べた忘れられない味、酒屋を営んでいた母が作る酒に合う大人の味。それらを軸に、アメリカナイズは一切汲み入れず、本物を作り続ける。知ってもらいたい母国の味を追求する。その思いから、この独特のおまかせスタイルとなった。

 バンコク料理を主流にしながら、奥様の出身であるチェンマイのメニューも入れて、夫婦合作。『スペシャルケーキ』という名の品にはもやし、ニラ、卵と炒めてあるタイ風大根もちが隠れている。箸で優しくすくいあげて食せば口の中でとろんと溶ける。『ローストフレッシュヌードル』はスパイシーでいてクリーンな後味。サーブされたものが食べたかったものにうって変わる驚きのレストランである。

Opal Thai(オパール・タイ)

  • 住所:1030 Smith St. Suite 6 Honolulu, HI 96817
  • 電話:+1 808-381-8091
  • 営業:[火~土]11:30~14:30、17:00~22:00(21:30ラストコール)
  • 定休:日月曜

Helena’s Hawaiian Food
ヘレナズ・ハワイアンフード

 ハワイを訪れたら是非行ってほしいのが、ハワイアンフードの名店【Helena’s Hawaiian Food】。ワイキキから車で20分のカリヒエリアで1946年から創業。創業者ヘレナさんのレシピを忠実に守り、伝統的なハワイアンフードを提供するのが孫にあたるクレッグ・カツヨシ氏だ。

 ハワイアンフードにはフラのように、古典とモダンと表される2つの種類がある。タロイモを練って作る主食や豚肉をルアウリーフに包んで蒸すラウラウは古典の部類に入るもので、味付けはハワイアンソルトのみのシンプルさ。流通が良くなった近代に生まれたのが刻んだトマトやサーモンで作るロミサーモンに、この店を不動の人気店にしているピピカウラ。

 ピピカウラとは牛肉を干したもの全ての総称であるが、ここでは骨つきカルビを醤油ベースの自家製だれに一晩漬け、キッチンの調理台の上で半日から1日ほど干し熟成させ、多めの油で焼き揚げる。肉の脂と料理油が肉の回りに吸い付き、ジューシーな肉汁を肉一帯に染み渡させる。

 これが滅法うまい! 一口食べた直後に再訪を誓うほどの美味しさ。まわりを見渡せばどのテーブルにも置かれてある茶色い肉の山。囲むのは3世代、4世代とこの店を訪れている大家族が多い。いつの時代にもコミュニティーに根付き、ハワイアンフードの伝統を守り続ける。

 アクセスの悪さ、駐車場の大混雑、途切れることのない行列は覚悟して!

Helena’s Hawaiian Food(ヘレナズ・ハワイアンフード)

  • 住所:1240 N. School St. Honolulu, HI96817
  • 電話:+1 808-845-8044
  • 営業:[火~金]10:00~19:00
  • 定休:土~月曜

Akira Japanese Restaurant
アキラ

「自分がまた来たいと思えるレストランにしたかったんですよ」と、地元紙「ホノルル・スター・アドバタイザー」に星4つで堂々登場の新しい和食店【Akira Japanese Restaurant】のオーナーシェフ河合氏は語る。

 2018年8月18日のオープンであるから、取材時はまだ開店して2ヶ月経ったばかりの頃。看板もまだの状態でありながら毎日の予約はいっぱい。客の8割は地元の人たちで、河合氏の作る本格和食、特に「Akira Omakase」を目当てにやってくる。
 作り方は和食の基本にこだわり、食材は日本のもの、ハワイ産のものを上手に組み合わせて、奇を衒わずに和食の美味しさを響かせる。

 前菜2種には野菜と魚介を盛り込み、日系人が大好きな寿司はその日のネタで六貫が並ぶ。お米はななつ星でお水はランド・オブ・アロハと、どの皿にもハワイと日本が融合している。

 何度も来て欲しいからコストパフォーマンスを良くし、ハワイの人たちに長く受け入れてもらえるようにと考えるのは挑戦でもあり愉しいのだそう。語り口も、調理する姿もどこか優しく見える河合氏のお料理もまた、口当たりよく、飽きのこない味で、デイリーで通いたくなる。

Akira(アキラ)

  • 住所:1150 S. King St. Honolulu, HI 96814
  • 電話:+1 808-376-0928
  • 営業:[月~土]17:00~22:00
  • 定休:日曜

写真/熊谷 晃
取材・文/工藤 まや

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