1. ヒトサラ
  2. 旬味への誘い
  3. 夏が旬の食材「ウニ」がおいしい東京のお店 神楽坂【El Pulpo】、西麻布【リストランテ イル バンビナッチョ】、中目黒【いふう】
磯薫る「ウニ」 磯薫る「ウニ」 磯薫る「ウニ」

磯薫るウニ

クリーミーでとろける旨さのウニ。旬は初夏から8月のお盆まで。今回はウニが主役を張るスペシャリテの中から、『殻つきウニのプリン』、『ウニのクリームパスタ』、『ウニの土鍋ご飯』の3品をご紹介します。

滑らかな口どけと口中に広がる海の甘み、
スペイン風酒肴『殻つきウニのプリン』

【El Pulpo】東京・神楽坂

日本の鮮魚を用いてスペイン料理を深化させた“マリスケリア”

「ウニ」と聞くと、寿司や丼などをイメージする方も少なくないと思いますが、この食材、和食だけの専売特許にあらず。実は外国でも重宝されているのです。

 今回ご紹介するのは、ウニを使ったスペイン料理。バルの群雄割拠としても注目が集まる飯田橋・神楽坂エリアにおいて、連日盛況を博す【El Pulpo】のスペシャリテ『殻つきウニのプリン』です。

カウンター主体の店内はカジュアルな印象。臨場感あふれる、このカウンターが最も人気

シーフード専門店を意味する“マリスケリア”を標榜するとおり、メニューの柱は魚介類。「銀座の鮨店で通用するネタかどうか?」という高い基準を設け、時にスタッフ自ら築地に出向き、目利きしています。

『殻つきウニのプリン』。今回、土台には青森産のウニを、トッピングには北海道産ウニを岩塩で甘みを強めています

 今回のメイン料理、『殻つきウニのプリン』で使用するウニも同様に、築地の専門店から産地の異なる2種を仕入れています。「殻つきウニのプリンは二層構造。土台とトッピング部分で求めるものが違うのです」と説明してくれるのはシェフの坂田慎吾氏。

滑らかな舌触りを保ちつつも、トッピング部分を支える適度な固さが必要な土台部分には、水分があまりないもの。一方で土台と比較して少量でもウニならではの旨味や香りが楽しめるよう、トッピング部分には甘みの強いものを選んでいるそうです。

土台が柔らかすぎるとトッピングが沈むため、その日のウニのコンディションで調理法や味付けを、若干変えているそう

使用する食材は2種のウニと1時間炒めた玉葱、バターにゼラチン、味付けは岩塩、ペッパー、オリーブオイルとシンプルな構成だけに、調理で重きを置いているのは「バランス」だそう。土台とトッピング部分の量や固さのバランス然り、お互いを引き立てる“上下”の味付けの違いといい、小さなウニの殻のなかには綿密な計算が隠されています。

「世界で最も魚介に合う」と評判のスペイン・バスク地方のチャコリを始め、白と赤を合わせて約30種を常時用意

「世界的にウニの需要が高まっている影響を受け、時に食材の価格が高騰することもありますが、このメニューを目当てに店を訪れる方も多いので、価格は据え置きです」と笑う坂田氏。どうやら価格については計算違いだったようです。

撮影/玉川 博之 文/ヒトサラ編集部

口の中でとろりとウニがほどけ、広がる芳香が魅力の『ウニのクリームパスタ』

【リストランテ イル バンビナッチョ】東京・西麻布

素材の持ち味を最大限に生かした、イタリアンの名店

 ウニのクリームパスタのクリーミーな旨さには思わず頬が緩むもの。とろける生ウニのコクがクリームソースと重なる濃厚な“一体感”に出会えるのが、【リストランテ イル バンビナッチョ】の『函館から届いた帆立と生ウニのクリームソース 自家製細打ち麺タリオリーニ』です。  

夜は和やかな照明と、福田シェフの趣味であるアンティーク品や、バンビナッチョの植物達が落ち着いた雰囲気を演出

 西麻布に佇むイタリアンの名店で腕を振るう福田憲一シェフは、素材の持ち味をシンプルに生かした料理が真髄。シンプルを志向するほどに、肝となるのが食材のバランスです。

ウニを使ったパスタのレシピをつくる段階では「ほかのソースや食材との相性も試した」というシェフが早い段階で確立したのが、ウニ、生クリーム、タリオリーニ、そして帆立という組み合わせ。食材の甘さが絶妙に溶け合うスペシャリテの“一体感”に一役を買っているのが帆立。クリームソースが帆立の旨みを引き出し、その逆、帆立が出汁にもなっています。

ソースとなる生クリームは煮詰めないように、手早くリングイネとからめる。とろける生ウニは函館産

 ソースをつくる工程ではウニをクリームに溶かさず、たっぷりと乗せるのが福田シェフ流。そうすることで、口にしたときに生ウニのとろける旨さが強調された、リッチな味わいが演出されます。柔らかく、とろっとしたウニが口のなかでほどける刹那、鼻孔を抜けていく磯の香り。  

「食感の相性が良くないので、固いパスタではウニが活きない。手打ちリングイネの優しい食感が大切なんです」と福田シェフ

「つぶれたてのウニの香りがふんわりと口の中に広がるタイミングをお客様自身に委ねているんです」というシェフの采配通り。ウニの存在感から引き算し、ソースはやはりシンプルに調えてます。

 実は、シェフ自身も以前はウニが苦手だったとか。臭みのない美味しいウニに出会った食経験の感動が込められているからこそ、美味しさに説得力が生まれます。

撮影/中込 涼 文/ヒトサラ編集部

火を入れると甘さが増す、小金色に輝く『うにの土鍋ご飯』の湯気と香りまでも噛みしめる

【いふう】東京・中目黒

旬な日本料理をカジュアルに楽しめる、中目黒に佇む割烹

 諸国の料理に溶け込んで魅力が解き放たれているウニですが、そうは言っても、日本人に馴染み深い「ご飯」との相性の良さも周知の通りです。中目黒の割烹【いふう】の『うにの土鍋ご飯』は、土鍋で炊き上げたご飯にウニの“ご馳走感”を付与した人気メニュー。

1階は料理人の仕事ぶりが見られるカウンター席、2階は向かい合って会話が楽しめるテーブル席

 料理長の亀田雅彦氏が食材に合わせて逆算し、出汁を味付け。できたての美味しさを味わうべきなのは勿論ですが、お客様の“二杯目”まで視野に入れます。例えば、この料理に甘みを出すために酒を入れれば、直後には旨く感じるものの、少し冷めてから食べたときに風味が落ちるのでご法度とのこと。曰く、これこそ「旨味を引き出すための“引き算”です」

中央は『いふうオリジナルボトル』。日本酒や焼酎、ワインなど、料理に合わせて愉しめる豊富な取り揃え

 北海道根室産のウニを使用し、かつお出汁に塩、薄口・濃い口しょうゆで味を調え、研いだお米にウニを入れたら、土鍋で炊き上げること15分。ウニは出汁の凝縮した味わいを纏い、磯の香りが覆われます。

人気の逸品『うにの土鍋ご飯』。今回、ウニは北海道根室産、米は福島県産のひとめぼれを使用

 火を入れることで甘みが一層強くなるのが、この料理で引き出されるウニの魅力。「ウニの甘みとご飯の甘みを、ゆっくりと噛みしめてほしいです」

 土鍋の蓋を開けると飛び込んでくるのは、ご飯の上に散りばめられた小金色に輝くウニ。炊き上がったご飯の湯気に乗って、鼻孔をくすぐる甘い芳香。香り立つ湯気ごと美味しさを逃さず、五感で味わってみてください。

撮影/永友 啓美 文/ヒトサラ編集部

全国のおいしいウニ料理が
味わえるお店

餡からソースまでウニ満載『ジューシー! ウニしゅうまい』

餡には鶏肉とウニ、その上にもウニ、加えて特製のウニソースを添えています。口触りは滑らかでクセになる味わいです
東京・麻布十番

十番右京

03-6804-6646

ウニ好きならずとも感動の一杯。なんとも贅沢な『ウニ丼食べ比べ』

品のある甘みとコクに優れる北海道浜中のバフンウニ、濃厚なコクと磯の香りが特徴の天草の地ウニなどを丼で食べ比べ
東京・渋谷

鮨 花おか

03-3461-8881

ふわふわの玉子とウニがとろけるおいしさ『ウニの玉締め丼』

〆のご飯は店主のルーツでもある【はしたて】の名物小丼が登場。ほかに、削った鰹節をかけた『じゃこご飯』、『お雑炊』など三種から選べます
京都・丸太町

木山

075-256-4460

絶対に外さない、ウニといくらとたまごの競演『ウニの玉子かけごはん』

築地から直接仕入れた、北海道産ウニといくらをふんだんに使い、見るからに満足感たっぷりの是非味わっていただきたい一品
岐阜・美殿町

ENISHI ~えにし~

058-214-3335

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