脂がのり旨味も増す夏のアジ
クセがなく、すっきりとした味わいから万人に愛されている青魚「アジ」。年間通して食せますが、本来の旬は春の終わりから秋にかけて。中でも夏のアジは脂がのっているため、旨味がぐっと増します。今回は、そんな旨味をたっぷりと蓄えた夏アジをつかった『アジの海苔巻き』をご紹介します。
クセがなく、すっきりとした味わいから万人に愛されている青魚「アジ」。年間通して食せますが、本来の旬は春の終わりから秋にかけて。中でも夏のアジは脂がのっているため、旨味がぐっと増します。今回は、そんな旨味をたっぷりと蓄えた夏アジをつかった『アジの海苔巻き』をご紹介します。
【OPEN FISH】東京・渋谷
アジの由来は所説ありますが、“味の良さ”からその名がついたと言われており、かつて江戸時代の学者・新井白石は『東雅(とうが)』でこう述べています。
「或人の説く鰺とは味也、其の味の美をいふなりといへり」
また、元禄10年に江戸で発行された『本朝食鑑』でもその旨さが称されるほど、味の良さが評価されている魚なのです。
アジは5月頃から秋にかけて旬を迎えますが、最も美味とされるのは夏場のもの。うまみ成分のイノシン酸が豊富で、脂肪と身のバランスも良く、味は淡白。その淡白でさっぱりとした口当たりこそ、夏の暑い日や食欲がわかないときにはうってつけの食材なのです。
さらに、その味わいは料理人からも絶賛されており、「旬を迎えたアジは生で食べるのが最もおいしい。その味わいは鯛やマグロ以上です」。そう語るのは、枠にとらわれない自由な発想で魚料理を提供する居酒屋【OPEN
FISH】の料理人・阿部国充さん。旬で上質な食材を使った料理は、“お値段以上の旨さ”と定評があります。
それもそのはず、寿司屋時代から付き合いのある仲卸しから上質な魚を仕入れ、“究極の血抜き”と言われる「津本式」で処理します。この血抜きは熟成魚によく施されますが、【OPEN
FISH】では鮮魚も含めほぼすべての魚に施す徹底ぶり。きれいに血を抜かれたアジは酸化が抑えられ、鮮度が保たれます。この“手間”を加えることが重要なのです。
「血抜きしたアジは熟成させても脂がまわっておいしいですが、青物はフレッシュなほうがアジ本来の旨さが感じられます」と阿部さん。
そんな“究極の血抜き”が施された淡路島・由良港で獲れたアジを使用した、夏に食べたくなるさわやかな一品をご紹介します。
アジは筋目に沿った順目で切り、梅とゴマ、キュウリとミョウガを酢飯とともに巻きます。脂がのって旨味が増した夏のアジを梅の酸味が程よく包み込む、さっぱりとした味わい。キュウリのシャキシャキ感やミョウガの苦みも心地よいアクセントとなり、夏の暑い日、仕事終わりに駆けつけたお店で一口目に食べるにはぴったりの“軽さ”です。
もちろん、アジ刺しも楽しめます。予約の際にお願いしておけば、その日最もおいしいアジが用意されるので、活〆・熟成を織り交ぜた魚が並ぶ店のイチオシ「刺身の盛り合わせ」でオーダーするのをオススメします。
魚の質が高くボリュームもあり、コスパも最高。「和食や寿司だけでなく、魚をさまざまなジャンルの料理で提供し、その可能性を開きたい」。そんな想いが込められた【OPEN
FISH】。ここなら、アジの旨さをきっと再発見できるはず!
PICK UP
パプリカやししとうなどの唐辛子類が旬を迎え、ビールのお供、枝豆も欠かせません。トビウオやスズキ、シマアジも収穫期。
秋の味覚の王様、松茸が店頭に並びます。サンマの水揚げがはじまり、たっぷりと脂がのった戻り鰹の季節です。
収穫の秋、里芋類やカボチャなどがおいしくなる季節です。サンマに脂がのり、イワシやニシン、イカがなども旬を迎えます。
ズワイガニ漁、サクラエビの秋漁、さらに山の幸ジビエの狩猟が解禁。サツマイモやカボチャなどの甘味もピークです。
鍋に最適な冬野菜の白菜や大根、春菊がおいしい季節です。海の幸もカキやホタテが旬を迎え、魚は脂がのって旨味が増します。
年が明け、旬を迎える魚が一年で最も多いのがこの時期。アマダイやアカムツ、イカやアカガイが出まわります。
ホタテやタラ、あんこうなど鍋に入れたい魚が豊富。蕾菜やアスパラ菜などが花芽を伸ばし、春の訪れはすぐそこです。
富山のホタルイカ漁が解禁。あさりや蛤などもおいしく、潮干狩りのシーズンを迎えます。山菜が出始めるのもこの頃。
アスパラガスやたけのこが出まわり、新タマネギや新ジャガイモの収穫も始まります。真鯛や鰆も獲れ、春到来です。
初鰹が最盛期を迎えます。野菜は、絹さややスナップエンドウなどの豆類がおいしい季節となります。
キュウリやピーマン、空芯菜やつる紫などの夏野菜が出始めます。海の幸は鮎やキス、トビウオ、マアジが旬を迎えます。
スズキやトビウオ、真アジに加え、鮎やハモも旬真っ盛り。茄子やズッキーニ、ゴーヤーなどの夏野菜が食卓を彩ります。