脂がのって甘い真鯛
養殖も盛んで一年中出回っている鯛ですが、脂がのって最も美味しくなるのは、寒さが増す12月~2月にかけて。鯛の中でも代表的な存在である「真鯛」は、縁起のいい魚として祝い事には欠かせない存在です。そんな「真鯛」を可憐な“一口パスタ”に変身させた、恵比寿のイタリアン【セルサルサーレ】のスペシャリテをご紹介します。
養殖も盛んで一年中出回っている鯛ですが、脂がのって最も美味しくなるのは、寒さが増す12月~2月にかけて。鯛の中でも代表的な存在である「真鯛」は、縁起のいい魚として祝い事には欠かせない存在です。そんな「真鯛」を可憐な“一口パスタ”に変身させた、恵比寿のイタリアン【セルサルサーレ】のスペシャリテをご紹介します。
【sel sal sale】東京・恵比寿
コースの始まりを告げるのは、シェフのスペシャリテ『天然真鯛の冷製カッペリーニ』。フォークに巻かれた艶やかなカッペリーニと真鯛の端正な出で立ちは、まるで鮨のよう。「コースの最初にパスタ?」と驚きつつも、パクッと一口で食します。その絶妙な塩加減に心をつかまれ、一瞬にしてシェフの世界に引き込まれていくのです。
店名の【セルサルサーレ(sel sal sale)】とは、それぞれ“塩”を意味するフランス語(sel)・スペイン語(sal)・イタリア語(sale)で、その名の通り、塩に強いこだわりを持つお店。「僕の料理は基本に忠実で、その基本を積み重ねてつくり上げています。その中でも、味を司る塩と食材の相性から考える料理をつくりたくて、この名前にしました」とオーナーシェフの濱口さん。メニューは「シェフのオススメコース」1本のみ。イタリアンをベースに、和食やスパニッシュ、エスニックなど様々なジャンルが顔を出す自由な発想と、多彩なテクニックからつくり出される10皿は、味はもちろんのこと、クオリティが高く、個性も豊か。
そんなこだわりの塩を使った真鯛のカッペリーニ。「2〜3年かけてあらゆる産地の鯛を食べ比べ、やっと出会えたのが甘みの強い鹿児島や和歌山の天然ものでした」。10年来の付き合いの仲買さんから、神経締めのプロによって締められた天然ものを仕入れているそう。
塩をふりかけ、浸透圧で抽出した真鯛の旨味に、冷凍トマトから抽出した旨味を加え、“旨味と旨味”を一つにまとめ上げたのがこの『天然真鯛の冷製カッペリーニ』なのです。
口へ運ぶと、鯛の凝縮した旨味と適度な塩味、トロッとした食感が舌を包み込みます。まろやかなのにどこかスッキリとした味わいなのは、隠し味に使われているトマトウォーターのおかげ。フォークに巻いた一口サイズなのは、「おいしい状態のうちに、さっと食べてほしい」、そんな想いが込められています。
料理の鍵を握る塩は、世界中から取り寄せて料理によって変える徹底ぶり。キッチンに並ぶ味付け用は5種に厳選していますが、仕込み用も含めるとおよそ20種にも及ぶそう。
「塩は産地や場所によって味が異なります。海水なのか、どこの海流なのか、陸の塩なのか、湖のものなのか。その成分によって、苦味、甘み、旨味、酸味のある塩になり、それが食材とどう合うのかを常に考えています」。
【セルサルサーレ】を代表する料理の一つ、『天然真鯛の冷製カッペリーニ』。てっきり、シェフ自慢のスペシャリテかと思いきや、「僕が定番にしたいと言ったのではなく、お客さんが定番にしてくださったメニューなんです。この冷製カッペリーニとフォアグラのブリュレはありがたいことにめちゃめちゃ人気で、お客さんから『変えないで!』と言われてしまい、変えられなくなっちゃったんですよ(笑)」と濱口さん。
ゲストに愛され、スペシャリテとなったカッペリーニ。真鯛の旨さをストレートに感じられる極上の一皿をはじめとする「シェフのオススメコース」を、ぜひ堪能してみてください。
PICK UP
パプリカやししとうなどの唐辛子類が旬を迎え、ビールのお供、枝豆も欠かせません。トビウオやスズキ、シマアジも収穫期。
秋の味覚の王様、松茸が店頭に並びます。サンマの水揚げがはじまり、たっぷりと脂がのった戻り鰹の季節です。
収穫の秋、里芋類やカボチャなどがおいしくなる季節です。サンマに脂がのり、イワシやニシン、イカがなども旬を迎えます。
ズワイガニ漁、サクラエビの秋漁、さらに山の幸ジビエの狩猟が解禁。サツマイモやカボチャなどの甘味もピークです。
鍋に最適な冬野菜の白菜や大根、春菊がおいしい季節です。海の幸もカキやホタテが旬を迎え、魚は脂がのって旨味が増します。
年が明け、旬を迎える魚が一年で最も多いのがこの時期。アマダイやアカムツ、イカやアカガイが出まわります。
ホタテやタラ、あんこうなど鍋に入れたい魚が豊富。蕾菜やアスパラ菜などが花芽を伸ばし、春の訪れはすぐそこです。
富山のホタルイカ漁が解禁。あさりや蛤などもおいしく、潮干狩りのシーズンを迎えます。山菜が出始めるのもこの頃。
アスパラガスやたけのこが出まわり、新タマネギや新ジャガイモの収穫も始まります。真鯛や鰆も獲れ、春到来です。
初鰹が最盛期を迎えます。野菜は、絹さややスナップエンドウなどの豆類がおいしい季節となります。
キュウリやピーマン、空芯菜やつる紫などの夏野菜が出始めます。海の幸は鮎やキス、トビウオ、マアジが旬を迎えます。
スズキやトビウオ、真アジに加え、鮎やハモも旬真っ盛り。茄子やズッキーニ、ゴーヤーなどの夏野菜が食卓を彩ります。