焼・煮・生と多彩ズッキーニ
夏野菜の代表、「ズッキーニ」。独特な見た目と相反する、やわらかな食感とほんのり漂う甘みが魅力です。β-カロテンが多く含まれているため、体の免疫力を高めて夏風邪を予防してくれるとも言われています。そこで、体調を崩しがちな残暑にこそ食べてほしい、ズッキーニを使った料理をご紹介します。
夏野菜の代表、「ズッキーニ」。独特な見た目と相反する、やわらかな食感とほんのり漂う甘みが魅力です。β-カロテンが多く含まれているため、体の免疫力を高めて夏風邪を予防してくれるとも言われています。そこで、体調を崩しがちな残暑にこそ食べてほしい、ズッキーニを使った料理をご紹介します。
【nomad dalla libera】東京・恵比寿
みなさんは、ズッキーニが何科の野菜かご存知ですか? パッと見はキュウリの風貌ですが、実はペポカボチャと言われるカボチャの一種なのです。ズッキーニは開花後から4~5日の“未熟果”の状態で収穫するため、フレッシュで瑞々しい。淡泊な味わいから、どんな調理法にも味付けにもマッチする万能野菜として重宝されています。
ズッキーニと言えば、イタリア料理のイメージが強い方も多いはず。花の部分に肉を詰めた「花ズッキーニの肉詰め」をはじめ、フリットやグリル、南蛮漬けのような「スカペーチェ」、ほかにも、ズッキーニ料理の代表格であるフランス料理の「ラタトゥイユ」など、さまざまな調理法で食べられています。
「煮ても、焼いても、生でも食べられる。いろんな顔を持つのがズッキーニの魅力です」と語るのは、恵比寿にあるイタリアン【ノマドダッラリベラ】の宮崎勝仁シェフ。自身もイタリア各地のミシュラン星付きレストランで修業し、様々なズッキーニ料理に出会ってきました。
「イタリアでは、ピューレやズッペッタ(スープ)、グリルしてしっかりと焼き目をつけたり、くたくたになるまで煮込むことが多いですが、ズッキーニをさくっと歯ごたえのある食感で調理するのがマイブームです」
ズッキーニをはじめ、お店で使用する野菜は8割ほどが鎌倉や三浦産のもの。イタリアで修業を重ねた宮崎シェフにとって、日本の野菜は少しパンチが弱く感じるそう。「鎌倉野菜はいい意味で雑味があって、野菜の“強い味”が感じられるので、イタリア料理に最適なんです」。
そんな宮崎シェフが差し出したのは、ズッキーニのしなやかな食感を生かした、こちらのお料理。
ズッキーニの緑とトマトの赤のコントラストが色鮮やかな、夏にぴったりの一皿。3種のチーズ(サワークリーム、クリームチーズ、リコッタチーズ)とスモークした鯖を和えたムースを、ズッキーニでくるみます。
ズッキーニはスライスし、食感を残すためにさっと茹でているため、シェフの“ブーム”であるシャキッとした歯ごたえを残し、フレッシュで瑞々しい。火がギリギリ入るくらいの低温でスモークした鯖も、身がふっくら。3種のクリームチーズは濃厚で、その味わいを淡泊なズッキーニが優しく受け止めます。さらに、ガスパチョやビーツの酸味が加わり、全体の味わいをきゅっと締めてくれる、濃厚なのにすっきりとした後味の夏メニューです。
ほかにも、熱々のズッキーニのフリットと冷たいティエピド(半生)の佐賀牛を組み合わせた『ズッキーニのフリットと佐賀牛のタルタル』を。フリットの熱でほどよく牛肉の脂が溶けていき、その味わいはほんのり甘い。
「牛肉の脂は、焼いたときときの溶け方と異はなり、中からじんわりと溶けていきます。その溶けた脂の甘みとズッキーニの甘みの相性が抜群なんです」
コースでは、産地にこだわった野菜や魚介を使ったメニューをはじめ、煮込みと炭火焼の2種が一皿に盛られた肉料理などが楽しめる恵比寿のイタリアン【ノマドダッラリベラ】。夏野菜の王様、ズッキーニの新たな魅力を発見しに、足を運んでみてください。
PICK UP
パプリカやししとうなどの唐辛子類が旬を迎え、ビールのお供、枝豆も欠かせません。トビウオやスズキ、シマアジも収穫期。
秋の味覚の王様、松茸が店頭に並びます。サンマの水揚げがはじまり、たっぷりと脂がのった戻り鰹の季節です。
収穫の秋、里芋類やカボチャなどがおいしくなる季節です。サンマに脂がのり、イワシやニシン、イカがなども旬を迎えます。
ズワイガニ漁、サクラエビの秋漁、さらに山の幸ジビエの狩猟が解禁。サツマイモやカボチャなどの甘味もピークです。
鍋に最適な冬野菜の白菜や大根、春菊がおいしい季節です。海の幸もカキやホタテが旬を迎え、魚は脂がのって旨味が増します。
年が明け、旬を迎える魚が一年で最も多いのがこの時期。アマダイやアカムツ、イカやアカガイが出まわります。
ホタテやタラ、あんこうなど鍋に入れたい魚が豊富。蕾菜やアスパラ菜などが花芽を伸ばし、春の訪れはすぐそこです。
富山のホタルイカ漁が解禁。あさりや蛤などもおいしく、潮干狩りのシーズンを迎えます。山菜が出始めるのもこの頃。
アスパラガスやたけのこが出まわり、新タマネギや新ジャガイモの収穫も始まります。真鯛や鰆も獲れ、春到来です。
初鰹が最盛期を迎えます。野菜は、絹さややスナップエンドウなどの豆類がおいしい季節となります。
キュウリやピーマン、空芯菜やつる紫などの夏野菜が出始めます。海の幸は鮎やキス、トビウオ、マアジが旬を迎えます。
スズキやトビウオ、真アジに加え、鮎やハモも旬真っ盛り。茄子やズッキーニ、ゴーヤーなどの夏野菜が食卓を彩ります。