春野菜の代表たけのこ
春野菜の代表と言われる「たけのこ」。一般的な料理では、皮をすべて取り除いた後の身の部分を使うが、実は最も味わい深く、栄養価も高いのは先端部分だということを知る人は少ない。その筍衣(スンイ)という先端部分を使い、彩り鮮やかな野菜や生薬を加えて、素材の風味を生かした薬膳中華で、その滋味をご紹介しよう。
春野菜の代表と言われる「たけのこ」。一般的な料理では、皮をすべて取り除いた後の身の部分を使うが、実は最も味わい深く、栄養価も高いのは先端部分だということを知る人は少ない。その筍衣(スンイ)という先端部分を使い、彩り鮮やかな野菜や生薬を加えて、素材の風味を生かした薬膳中華で、その滋味をご紹介しよう。
【銀座小はれ日より】東京・銀座
たけのこは今でこそ日本の食材とされているが、もともとは中国から伝わってきたもの。パンダのエサが笹の葉であること、竹林が豊富にあるということからも容易に想像できるだろうが、実は中国を代表する食材だったのである。
酢豚や青椒肉絲といった一般的な料理から、デザートまで、色々な料理があるが、なかでも興味深いのは、中国ではたけのこの先端部分「筍衣」(スンイ。日本語では姫皮)をアワビやカニに並ぶ高級食材として使うということだ。
この中国を代表する「筍衣」の料理を味わえるのが、【銀座
小はれ日より】。板前の父を持ち、子供の頃から厨房を遊び場にして育ったオーナーの高橋政貴氏は、15歳の時に陳健民氏の片腕と言われた岡野国勝氏に師事していた料理人。
そんな高橋氏がつくる料理『たけのこと彩り野菜の炒め』は、たけのこを選ぶところから始まる。中国料理は炒めものが多いこと、また筍衣部分が多いものと考えて、小さめの若いものがよしとされる。
皮をむいたたけのこは2種の異なる味わいで食感を楽しめるよう、事前にふたつに分けて下ごしらえ。ひとつは弱火の油でじっくりと揚げて水分を抜き、パリッと仕上げる。もうひとつはしめじやパプリカ、ニンジン、アスパラといった野菜とともに、サッと湯通しをしておくといった具合だ。
すべての具材を熱した中華鍋に入れ、生薬のクコの実と金針菜を加えて強火で一気に炒めて仕上げる。味付けは塩ともち米を発酵させた「チュニアン」と呼ばれる塩麹、そして紹興酒。最後に黒胡椒を加えてアクセントを添えた一皿は、素材の味を立たせ、その旨みを引き出すため、敢えて肉や魚を使わずに、植物性の材料のみを使用しているのも特徴だ。
カリカリとしたたけのこの食感に香ばしい風味、そしてみずみずしい春野菜の歯応えが一度に楽しめるだけでなく、新鮮なたけのこならではの、とうもろこしに似た味わいが贅沢な逸品。ひとつひとつの食材から立つ香気と味わい、この季節ならではの味覚を今春は存分に堪能したいものである。
PICK UP
パプリカやししとうなどの唐辛子類が旬を迎え、ビールのお供、枝豆も欠かせません。トビウオやスズキ、シマアジも収穫期。
秋の味覚の王様、松茸が店頭に並びます。サンマの水揚げがはじまり、たっぷりと脂がのった戻り鰹の季節です。
収穫の秋、里芋類やカボチャなどがおいしくなる季節です。サンマに脂がのり、イワシやニシン、イカがなども旬を迎えます。
ズワイガニ漁、サクラエビの秋漁、さらに山の幸ジビエの狩猟が解禁。サツマイモやカボチャなどの甘味もピークです。
鍋に最適な冬野菜の白菜や大根、春菊がおいしい季節です。海の幸もカキやホタテが旬を迎え、魚は脂がのって旨味が増します。
年が明け、旬を迎える魚が一年で最も多いのがこの時期。アマダイやアカムツ、イカやアカガイが出まわります。
ホタテやタラ、あんこうなど鍋に入れたい魚が豊富。蕾菜やアスパラ菜などが花芽を伸ばし、春の訪れはすぐそこです。
富山のホタルイカ漁が解禁。あさりや蛤などもおいしく、潮干狩りのシーズンを迎えます。山菜が出始めるのもこの頃。
アスパラガスやたけのこが出まわり、新タマネギや新ジャガイモの収穫も始まります。真鯛や鰆も獲れ、春到来です。
初鰹が最盛期を迎えます。野菜は、絹さややスナップエンドウなどの豆類がおいしい季節となります。
キュウリやピーマン、空芯菜やつる紫などの夏野菜が出始めます。海の幸は鮎やキス、トビウオ、マアジが旬を迎えます。
スズキやトビウオ、真アジに加え、鮎やハモも旬真っ盛り。茄子やズッキーニ、ゴーヤーなどの夏野菜が食卓を彩ります。